News & Topics

【テレワーク導入で業績アップ】小さな会社での現実的な導入と運営方法について社労士が解説

2025.01.07

※この記事は、5分程度で読むことができます

はじめに

近年、テレワーク(リモートワーク)の導入は多くの企業で注目を集めています。働き方改革や新型コロナウイルス感染症の影響により、その必要性が急速に高まりました。しかし、中小企業では「うちでは難しい」と感じる経営者も少なくありません。

本コラムでは、中小企業がテレワークを導入する際の現実的な取り組み方と、その効果を最大限に引き出す方法、さらに社会保険労務士が提供できる支援について解説します。

1.テレワーク導入のメリットと課題

1.厚生労働省が示すテレワークのスタンス

厚生労働省は、テレワークを「柔軟な働き方を可能にする制度」として積極的に推進しています。

同省は、働き方改革の一環として、テレワークがワークライフバランスの向上や生産性向上、優秀な人材の確保に寄与することを強調しています。

また、導入を検討する企業向けに「テレワーク総合サイト」を開設し、導入ガイドやモデル就業規則、助成金情報を提供しています。

さらに、テレワーク導入の際に注意すべきポイントとして以下を挙げています

1.労働時間管理の徹底
・適切な労働時間の管理が求められ、健康管理への配慮が必要。

2.情報セキュリティ対策
適切な情報管理体制を構築することが重要。

3.コミュニケーションの工夫
上司や同僚との円滑な連携が、テレワーク成功の鍵。

これらを踏まえ、中小企業でも無理なく導入できる方法について以下で解説します。

2.テレワークのメリット

(1)業務効率の向上
・通勤時間が削減され、業務に集中する時間が増える。
・静かな環境で作業ができるため、生産性が向上。

(2)優秀な人材の確保と定着
・地域や通勤距離の制約を取り払い、広範囲から人材を採用可能。
・柔軟な働き方が可能になることで、社員満足度が向上。

(3)コスト削減
・オフィススペースや通勤手当などの削減につながる。


3.テレワークの課題

(1)業務管理の難しさ

・社員の進捗状況や成果が見えにくくなる。
・コミュニケーション不足が発生する可能性。

(2)ITインフラの整備
・テレワーク環境を整えるための初期投資が必要。
・情報セキュリティのリスク。

(3)制度設計の不備
・テレワークに対応した就業規則や労務管理が整備されていない。

2.中小企業がとるべき現実的なアプローチ

1.小規模から始める段階的な導入
・初めから全社員に適用するのではなく、一部の部署や業務に限定して試験的に導入しましょう。
・試験導入期間中に課題を洗い出し、解決策を検討することでスムーズな本格導入が可能になります。

2.業務の可視化と目標設定
・業務の進捗状況を可視化するツール(タスク管理ソフトやチャットツール)を導入しましょう。
・明確な目標や成果物を設定し、社員が自主的に動ける環境を作りましょう。

3.ITインフラの整備
・必要最低限の設備を揃えることから始めましょう。
・ノートPCやVPN接続、クラウドストレージの導入しましょう。
・安価なツールを活用しつつ、将来的にはセキュリティ強化も検討しましょう。

4.コミュニケーションの工夫
・定期的なオンラインミーティングを実施し、情報共有の機会を確保しましょう。
・チャットツールやプロジェクト管理ツールを活用し、スムーズなやり取りを促進しましょう。

5.テレワーク制度の整備
・テレワークに対応した就業規則を作成し、労働時間や業務範囲を明確化しましょう。
・労働災害や情報漏えいのリスクを想定し、リスクマネジメント体制を構築しましょう。

3.社会保険労務士が提供できる支援

テレワーク導入には、労務管理や制度設計が重要な役割を果たします。社会保険労務士は以下のような支援を提供できます。

1.就業規則の見直し・整備
・テレワーク勤務に対応した就業規則の作成や改定。
・労働時間管理や業務報告のルール明文化。

2.安全配慮義務の対応支援
・労働契約法に基づく安全配慮義務への対応策を提案。
・労災保険適用範囲やテレワーク中の災害リスクの管理。

3.助成金申請のサポート
・テレワーク導入を支援する助成金(働き方改革推進助成金など)の申請手続き。
・必要書類の作成や申請進行のサポート。

4.労務トラブルの未然防止
・テレワーク導入時に起こり得る労務トラブル(長時間労働や賃金トラブルなど)の予防策を提案。
・社員とのコミュニケーション円滑化に向けたアドバイス。

5.教育・研修の実施
・管理職や社員向けのテレワーク研修を実施。
・適切な業務管理方法や情報セキュリティ教育。
・社員の働き方に合わせたスキルアップ研修。

まとめ

テレワークは、中小企業にとって大きな変化をもたらす可能性を秘めています。ただし、その導入には計画的な準備と適切な制度設計が必要です。社会保険労務士のサポートを活用することで、労務管理や助成金活用、リスクマネジメントが効率的に進められます。

段階的な導入と適切な運用を通じて、社員が働きやすく生産性の高い職場を実現し、業績アップを目指しましょう。

福岡県・佐賀県で人事労務の課題解決のことなら、社会保険労務士法人メイカーズにお任せください!

新しい制度導入についてのご相談や具体的なアドバイスが必要な場合は、ぜひお気軽にお問い合わせください。中小企業の労務管理と人事制度の専門家として、貴社の課題解決をサポートいたします!