【社員が辞めない会社づくりの秘訣】就業規則の活用方法、見直しのポイントを社労士が解説
2024.12.27
※この記事は、5分程度で読むことができます。
はじめに
企業にとって、社員の定着率を上げることは、企業の存続と成長に直結する重要な課題です。しかし、日々の業務に追われ、就業規則や労務管理を見直す時間を確保できていない企業も多いのではないでしょうか。
本コラムでは、社員が辞めない会社づくりのために、企業が就業規則を見直すことの重要性とその具体的な進め方について詳しく解説します。
1.社員が辞める理由を知る
社員の離職を防ぐためには、まずその原因を正しく理解することが大切です。離職理由にはさまざまなものがありますが、中小企業においては以下の理由が特に多い傾向にあります。
これらの課題に対応するために、就業規則の見直しが効果的なアプローチとなります。
・主な離職理由
1.待遇や給与への不満
昇給や賞与が少ない、または基準が不明確。2.働き方や職場環境への不満
長時間労働や休日出勤が常態化している。3.キャリアの不安や将来性の欠如
成長機会がない、またはキャリアパスが描けない。4.人間関係の問題
上司や同僚とのコミュニケーションが不足している。5.会社への信頼感の低下
ルールが曖昧で不公平感がある。
2.就業規則の役割とは?
就業規則は、単なる労働条件の記載ではなく、会社と社員の信頼関係を構築するための重要なツールです。
・就業規則の主な役割
1.ルールの明文化
会社のルールを明確に定め、全社員に公平に適用します。2.トラブル防止
不明確なルールによるトラブルを未然に防ぎます。3.働きやすい環境の提供
社員が安心して働ける環境を整備します。4.法令順守
労働基準法などの法令に基づき、適切な労務管理を行います。
3.就業規則見直しのポイント
就業規則を見直す際には、以下のポイントに注意してください。
1.最新の法令を反映する
労働基準法や育児・介護休業法、働き方改革関連法など、法律は定期的に改正されています。最新の法令を反映させることで、トラブルを未然に防ぐことができます。
例:働き方改革に対応した規則
・残業時間の上限規制(年720時間以内)を明記する。
・有給休暇の取得義務(年5日以上)を規定する。
2.公平性を担保する
給与や昇給、賞与などに関する基準を明確に記載し、不公平感を排除します。社員にとって透明性の高い規則は、会社への信頼感を高めます。
例:賞与支給基準の明記
・成績評価に基づく賞与の支給基準を具体的に記載。
3.働きやすさを追求する
働き方改革や社員のニーズに応じて、柔軟な働き方を就業規則に取り入れることが重要です。
例: 柔軟な働き方の導入
・フレックスタイム制度や短時間勤務制度の導入。
・テレワークの規定を設ける。
4.明確で分かりやすい記載
複雑な文言や専門用語を避け、社員全員が理解できる内容にします。
4.見直しの具体的なステップ
就業規則の見直しは、以下のステップで進めるとスムーズです。
ステップ1:課題の洗い出し
社内アンケートや面談を実施し、社員が抱える問題点を把握します。ステップ2:専門家の相談
社会保険労務士や弁護士に相談し、法令や実務に即した助言を受けます。ステップ3:改定案の作成
現行の規則を基に、新しいルールや改善点を盛り込んだ改定案を作成します。ステップ4:社員への周知
規則改定後は、社員に分かりやすく説明し、理解を促します。
5.就業規則を見直すメリット
1.離職率の低下
社員が安心して働ける環境を提供することで、離職率が下がります。2.企業イメージの向上
法令を順守し、社員を大切にする企業として評価が高まります。3.トラブルの予防
労務トラブルを未然に防ぎ、経営リスクを軽減します。
6.社会保険労務士ができる支援
就業規則の見直しを進めるにあたり、社会保険労務士は中小企業にとって心強いパートナーとなります。以下は、社労士が提供できる具体的な支援内容です。
1.法令遵守のアドバイス
最新の労働法や関連法規に基づき、就業規則が適切に改定されているかを確認し、アドバイスを提供します。働き方改革や育児・介護休業法の改正に対応するための具体的な条項案も提示します。
2.現行規則の診断
現行の就業規則を精査し、不足や矛盾点を指摘するとともに、会社特有の課題に対応した改定案を提案します。例えば、昇給や賞与基準の明確化や、フレックスタイム制度の導入といった柔軟な働き方のルール策定などが挙げられます。
3.社員ヒアリングの実施支援
社員アンケートやヒアリングの設計をサポートし、離職理由や職場の不満点を具体的に洗い出すお手伝いをします。従業員の声を規則改定に反映させることで、実効性の高い規則が作成可能となります。
4.周知・説明の支援
改定後の就業規則を社員に周知する際、専門的な視点から説明会の実施をサポートします。社員が規則を正しく理解し、納得できるようにすることで、規則の運用がスムーズに行えます
5.運用後のサポート
改定した就業規則が適切に運用されているか定期的にチェックし、必要に応じて改善策を提案します。また、新たな労務トラブル発生時の相談窓口としても機能します。
6.助成金活用の提案
規則の見直しや働き方改革に関連する助成金の情報提供や申請手続きのサポートを行い、企業のコスト負担を軽減します。
まとめ
就業規則の見直しは、単なる規則の変更ではなく、社員との信頼関係を築く重要な施策です。最新の法令に基づき、公平で分かりやすく、社員の働きやすさを考慮した規則を作成することで、社員が辞めない会社づくりを実現できます。
中小企業が抱える課題に対して適切に対応するため、専門家の力を借りながら進めていきましょう。社員が安心して働ける環境を整え、会社と社員がともに成長できる未来を目指してください。
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