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【労務トラブルを未然に防ぐために】就業規則って、どのくらいのスパンで更新すればいいの?に社労士が解説

2025.01.10

※この記事は、5分程度で読むことができます。

はじめに

就業規則は、企業のルールブックとも言える重要な書類です。労働基準法に基づき、常時10人以上の労働者を雇用する企業は、就業規則を作成し労働基準監督署に届け出る義務があります。しかし、法改正や企業環境の変化に応じて適宜更新しなければ、トラブルの原因となる場合があります。

本コラムでは、就業規則をどのくらいの頻度で更新すべきか、またその必要性や具体的な更新内容について解説します。さらに、社会保険労務士が提供できる支援内容についてもご紹介します。

1.就業規則の更新頻度の目安

(1) 法改正に応じた更新

労働関連法規は頻繁に改正されるため、これに対応する形で就業規則を見直す必要があります。以下は最近の主要な法改正例です。

・2019年:働き方改革関連法(年次有給休暇の取得義務化、時間外労働の上限規制など)
・2022年:同一労働同一賃金の施行
・2024年:月60時間超の残業に対する割増賃金率50%以上への引き上げ(中小企業適用)

更新のタイミング
法改正が行われた際には、速やかに就業規則を見直し、必要な変更を行うことが推奨されます。


(2) 企業の状況に応じた更新
企業内の環境や人事制度が変化した場合にも、就業規則を更新する必要があります。

・勤怠管理のデジタル化に伴うルール変更
・テレワーク導入に伴う勤務時間や費用負担の明確化
・福利厚生制度の変更


(3) 定期的な更新
特に大きな変更がなくても、3年に1回程度を目安に全体を見直すことが推奨されます。これにより、法令違反や時代にそぐわない規定を未然に防ぐことができます。

2.就業規則を更新しないリスク

就業規則を適切に更新しない場合、以下のようなリスクが発生します:

(1) 労働基準法違反
法改正に対応していない就業規則は、労働基準法違反となる可能性があります。この場合、労働基準監督署から是正勧告を受けるリスクが高まります。

(2) 労働トラブルの増加
規定が曖昧な場合、従業員との認識のずれが生じ、トラブルに発展することがあります。例えば、残業代の計算やハラスメント対応のルールが不明確だと、従業員の不信感を招きます。

(3) 信頼性の低下
時代遅れの規定は、従業員や求職者から企業の信頼性を損なう原因となります。
特に若手人材の採用では、柔軟で時代に合った規定が求められることが多いです。

3.就業規則に含めるべき最新トピック

(1) テレワークに関する規定
・勤務時間の管理方法
・通信費や光熱費などの費用負担の取り決め
・情報セキュリティに関するルール

(2) ハラスメント防止規定
・職場におけるパワハラやセクハラ防止策の明確化
・苦情対応窓口の設置

(3) ダイバーシティ対応
・育児休業・介護休業の制度整備
・LGBTQ+など多様性への配慮

(4) 労働時間と割増賃金
・月60時間超の残業に対する割増賃金率の引き上げ
・時間外労働や休日労働の管理方法

4.社会保険労務士ができる支援

社会保険労務士は、就業規則の作成や更新において専門的なサポートを提供します。

(1) 法改正への対
最新の法改正内容を踏まえた就業規則の改定を提案。
労働基準監督署への届け出手続きを代行。

(2) 規定の整備
テレワークやハラスメント防止に関する新規定の作成。
従業員の多様なニーズに応じた柔軟な規定を提案。

(3) トラブル予防
労務トラブルを未然に防ぐため、曖昧な規定を明確化。
就業規則に基づく具体的な運用アドバイスを提供。

(4) 教育と研修
経営者や管理職向けに、就業規則に関する研修を実施。
従業員への周知活動をサポート。

(5) 実務代行
定期的な就業規則の見直しをスケジュール化し、企業の負担を軽減。

まとめ

就業規則は、法改正や企業環境の変化に応じて適切に更新することが重要です。3年に1度の定期的な見直しや、法改正のタイミングでの迅速な対応を心がけることで、トラブルを未然に防ぎ、従業員にとって働きやすい職場環境を提供できます。

社会保険労務士の専門的な支援を活用することで、就業規則の更新が効率的かつ確実に進められます。ぜひプロの力を借りながら、より良い労務管理を実現してください。

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